InAequabilitas

Category : 事件・刑事司法

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また裁判員の話

今回は大してひどくもない事件だったので問題はなかっただろうが、証拠と称して(証拠である事に異論はないが)巨大モニターに映し出される画像について。

誰かが「検察と弁護側双方のプレゼン合戦だった」と言ったが、まさに的を得ているだろう。
裁判員制度の導入を意識して行われた、いつだかの公判。所謂「江東区OLバラバラ殺人事件」だ。
「腐ったハンペンのようなもの」、と思われたそれは腹の肉片だったし、黒ずんだ棒のようなのは切断された指だった。その上指である事を証明しようとしたのか、「曲げてみました」と検察が言い、モニターにはその指が曲げられた画像が映された。
そして被告人に対する尋問。「どのようにして首を切断したのか」との問いに「まずナイフで一回り肉を切ってから、鋸を当てて骨を切断した」との答え。「次に切ったのはどこですか」「右足です」…挙句の果てには「肉は何色をしていましたか」「赤だったと思います」。それに呼応するように、画面が真っ赤に染まる。
この尋問のあいだ、何人もの傍聴人が(昼食の後だったこともあり)トイレに駆け込んだという。「赤だった」の後には、被害者の遺族を含めた2人が崩折れ、裁判所の職員に担ぎ出されたらしい。
そのうち被告人も全くモニターを見ないで尋問に答えるようになり、弁護人から「無意味である」との異議が飛んだ。

こんな有様の裁判であった。これは5/21以降に起訴されていたなら間違いなく裁判員裁判の範疇だが、裁判員がその場にいたら尋問の後半の被告人のように全く画面を見まいとする者が多いに違いない。証拠を見ずに、正しい判断が下せるものだろうか。
やはり危惧したとおり、会社の会議の如く「プレゼンの上手かったほうが有利になる」構図が清書されていく。もうそこに「真実追求」と「法の独裁(これはプーチンだが)」の居場所はない。

裁判員制度はいらない!大運動」なるものがある。
彼らは裁判員制度のことを「市民参加という名の刑事ショー」と評しているが、その通りだ。
裁判がエンターテインメントとなっていく。司法のあるベき姿はいずこへ。

裁判員裁判、今日が初日

せっかく最寄りの東京地裁だというのに行けなかった為地団駄踏んで悔しがっている北落師門である。
結局NHK総合の凄まじく物足りない「中継」を録画。
ああ、凄愴…。

でも今「法治国家つまみぐい」を覗いたところ、「ああ、こりゃ駄目だな」と微妙に嬉しくなった。行ってもほぼ意味無いではないか。Vistaを買う為に徹夜で並ぶメカマニアの行列のようではないか。
独りリベンジを誓う。

手錠と法廷

この記事。笑った。

「気にしませんからやりましょう」、か。いい人だ(笑
というか、右手を外したところでもう「拘束されていない」状態に近いんじゃないかとも思うのだが…まあ、法的には拘束は拘束だな。

それにしても何故マスコミは「被告」にこだわるのであろう。「人」一文字つけたって別に変わらんじゃないか。
元裁判官の井上薫氏はこんな話を紹介されている。

井上氏が民事裁判の法廷に立ったときであった。当然裁判長だから被告のことは被告と呼ぶ。「では、被告…」
なんだか反応がないので見てみると、その被告の老人はステッキを振り回している。怒り狂っているのである。罪を犯したわけでもないのに「被告」と呼ばれたことにブチギレしたらしい。
井上氏が「これは法律用語で」とか「刑法のは被告ですよ」とか散々なだめたが老人の怒りは収まらない。仕方がないので、その法廷では名前で呼ぶ事にした。

こんな事も実際にあるのだ。マスコミ用語の「容疑者」、「起訴事実」、他にもあるけど裁判員制度も始まったんだし、正式なほうを使った方がいいと思う。僕だって小学校卒業するまでは被告と容疑者が正式名称だと思い込んでいた。そうだ、教育にも影響が(考え過ぎだ

そう言えば、結構真面目な服を着た被告人がサンダル履きで入ってくるとギャップに笑う。あれ止めればいいのに…。
京都地裁に傍聴に行った時、冒頭陳述のなかの被告人の脅し文句(恐喝だった)がみんな京都弁でちょっと可愛かったのを思い出した。それにしても京都地裁は法廷が綺麗だった…。目の前が京都御所だったりもするし。

始まっちまったねえ…

裁判員制度。

初日は対象事件が4件起訴されたそう。千葉2、秋田・青森1だったかな?
こんな調査結果が。

調査は17日に実施した。裁判員裁判に「参加したい」は16・2%。これに「あまり気が進まないが、義務なので参加すると思う」の37・2%を加えると53・4%となり、「参加したくない」を7・6ポイント上回った。
男女別では、女性の「参加したくない」が51・7%で過半数を突破。男性の同回答を12・2ポイント上回った。逆に「参加したい」は、男性が9・5ポイント女性を上回った。年齢が上がるほど抵抗感が強まる傾向がみられ、男女とも「参加したくない」は60歳以上が最多。30代が最少だった。
地域別にみると、「参加したくない」が最多だったのは東北の54・1%。最少だった北関東の40・9%と13・2ポイントの開きがあった。
「気が進まないが参加」と「参加したくない」とした人に理由(選択式)を聞くと、「正しい判断をする自信がない」が43・0%でトップ。以下「人を裁くことに抵抗がある」(26・0%)、「仕事などが忙しく時間が取れない」(15・8%)が並んだ。
一方で、「残酷な犯罪などを見聞きしたくない」は6・1%、「(被告人らから)逆恨みをされるのが怖い」は4・7%にとどまり、自分の能力への不安や生活についての事情などが、消極的な姿勢の中心的な理由となっている実態が浮かんだ。
また、「裁判の過程で被告が死刑だと思ったとき、死刑を選択できるか」を聞く質問では、「選択できない」が39・1%を占めた。審理の内容にかかわらず、法定刑の一つとなっている死刑を除外して考えるとする意見の多さも、制度の課題といえそうだ。



(え、一番やりたがってない東北で2件も起訴されたけどいいの…?)

裁判員制度批判3度目はもう書くことがなくなってきた気がするので何もしない。
(過去の意見はここここ)
何か情報不足で変な事書いちゃってたような気がするけども。
本として面白いのは『激論!「裁判員」問題』(木村晋介監修、朝日新書)。題のとおり反対派・西野喜一氏と賛成派・高野隆氏の討論と木村晋介氏の司会(?)の様子。賛成派は何を不思議な事を言い出すかなと思っていたら、意外とまともな(失礼!)主張が出てくる。双方の意見が同時に理解できてなかなか良書だと思う。…僕はブックオフに行くことをお勧めしておくよ!(本人は350円で買った)

可愛い犯罪者シリーズ4-カール・パンズラム

このシリーズは久しぶりかな?この前はソーディマンだった気がするよ。

カール・パンズラムは1925年前後のアメリカの連続殺人者。あまり有名ではないようだけれど、初めての一連の殺人なのに3週間できっかり10人を殺したというツワモノ。
彼はショーペンハウエルを読んでいたらしい。獄中でもカントを送らせて読んだりしている。看守だったヘンリー・レッサーは生まれて初めてパンズラムが恩義を感じた人間で、パンズラムの死後、レッサーは彼の自伝の出版に尽力した。1970年に出版されたらしいが、僕は読んでいない。
そんな彼の何が可愛いのかって?ウィキペディアのこの記事からのコピー。

…結局彼は最後まで一切の反省も後悔もすることなく、1930年9月5日、絞首刑に処せられた。執行人に最期の言い分を尋ねられたパンズラムは「さっさとしろよ、田舎者め。おまえがもたもたしてるうちに、俺なら10人は殺せるぞ!」と罵った。…



T・バンディのように最後の最後で「私は暴力の中毒だった」と反省するのもいるけど、ここまでそれを言うか…(苦笑)犯罪歴を見ても、行為障害→反社会性人格障害と来た典型的なパターンではないのかな。けれどもレッサーの本当に些細な行動に生まれて初めての恩義を感じたというところには、パンズラムの長い孤独と悲哀を見ずにはいられない。

Irony, Satire and Truth

Biography

北落師門

Author:北落師門
特徴: 研究者気質(何)、厭世家、人嫌い、典型的ブックワーム。
大量の学問だけで出来ていると思う。詭弁と皮肉で武装している。
目の悪さが半端ない。あと、電話と食事と世間話が天敵。
Detail/本棚

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