InAequabilitas

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閉鎖病棟のリアル(一般病床編)

[隔離室編はこの記事]

閉鎖病棟の面白生活のことでも喋ってみましょうかね.現在含めて3回入院した病院についてしか語れないけれど.「閉鎖病棟」とはその名の通り病棟出入り口に鍵がかけられていて自由に出入りができない病棟のことである.出入りが完全にできないわけではなく,状態のマシな患者で医師の許可が出た者は「外出届」を書けば1日のうち決められた時間内は外出することができる.外出範囲も許可が必要で,「周辺のみ」とか「完全自由」とか色々いる.また,現在の僕みたいに同伴ありの場合のみ外出OKという患者もいる.外から来る人間(面会など)も病棟外のインターホンを押して看護師に鍵を開けてもらわないと入れない.外泊(連泊可)ができるひともいて,家に帰ったりするわけだけれど,毎度「外泊中こういう状態だった」みたいな報告の紙を書かなくてはならず,もちろん毎度医師の許可が必要である.外出から帰ると簡単な荷物検査があるが,外泊帰りは特に厳しく,小物入れ的なもの(ペンケースなど)もひとつひとつ開けられてチェックされる.とはいえユルガバであり,割と性善説的なところがある.
部屋には棚(扉付き)があり,そこに私物が入れられる.ベッドサイドチェストにも引き出しがあり,ひとつだけ鍵をかけることができる棚があるので貴重品はそこにしまう.個室には洗面台と冷蔵庫もついている.一般病床は窓がついており,外が見えるが,窓が5cmくらいしか開かないようになっている.ODで内科に入院した時は窓が全開になることに最大のカルチャーショックを感じた.
入浴は男女は別だがもちろん大浴場であり,週3日風呂ありで週3日シャワーのみ,日曜は入浴なし.介助ありと自立に分かれる.風呂の日は時間指定制で,決められた時間枠にあらかじめ予約を入れておく.シャワーの日は適当な感じで入れ替えが行われる.シャワーヘッドは5箇所あるのだが,シャワーが捻って水を出す方式ではなく押しボタン式(一定時間経つと自動的に水が止まるやつ)なので,場所によって放水の持続時間が違う.たとえばここ(急性期病棟)では一番手前の位置が持続時間が非常に短いので,流している途中で頻繁に止まるので鬱陶しい.ドライヤーはナースステーションで毎度借りる.それが面倒なので僕は常に自然乾燥させている.どうせ入浴時間は昼(終了が17時前)だし,濡れた頭で寝て起きたら寝癖が直らない,みたいなことは発生しない.
一般病床の患者は洗濯機と乾燥機が使えて,ナースステーションで専用のコインをもらって投入して使う.もちろん使用するたびに金がかかり,入院費として一緒に払うことになる.洗剤は自前.乾燥機は,外のコインランドリーの乾燥機と同じだと思うが散々回しても全く乾かず無能なので,部屋で工夫して干す方が得策である.面会に来た親族に持ち帰って洗濯してもらっても構わない.乾燥機を回し終わっても放置し続けるとナースステーションから「左側の乾燥機終わっています,使用している方は取りにいらしてください」と放送が流れることになる.
病院というとみんな病衣を着ていそうだが,一般病床の患者は持ち込みのパジャマや普段着を着ることもできて,そうすると病衣レンタル料が浮く.病衣,前までは浴衣型だったが今回からトレーナーみたいなのに変わっている.今でこそ慣れたけど初めて浴衣型病衣着る羽目になったときどこをどう留める(結ぶ)のか全然わからなくて看護師に苦笑されましたね.
食事は7:30と12:00と18:00,毎日きっちり三食.たまにメニューが二択で選べる日がある.ただし片方は毎食自己負担20円程度かかる.内容的に一番近いのは小学校の給食で,とにかく健康そのもの.まずくもないが,楽しみにするほどうまいわけでもない.白米・味噌汁・食パン・みかんがダントツで多いですかね.配膳車の前に並んで一人一人受け取り(どれも同じに見えるのだが,全てに名札が置いてある),食べ終われば配膳車に自分で下げる.ときどき肥満食とか糖尿食とか特別メニューのひとがいる.基本的に部屋で食べることはできず,ホールでみんなで食べている.ひとがたくさんいるところで食事をするのが個人的に苦手なので,少し遅れてひとが少なくなった頃を見計らって行くのだが,特に怒られることはない.あんまり遅く行こうとすると部屋に看護師が「ごはんですよ〜」と呼びに来る.因みに行くのが遅いと食事がナースステーションに置かれていることがあり,「食事お願いします…」と声をかけて受け取る羽目になる.
点灯は6:30,消灯は21:00,これもまた健康生活そのものである.ただし消灯後も電気が自分で点けられるので,個室にかこつけて消灯後も電気を点けて色々やっているわけだが,夜間の1時間毎の巡視(これは全患者がされる)が来ると時々「まだ寝ないの?」とか「眠剤いりますか?」とか聞かれることがある.特に入院直後はよく心配される.眠剤が飲めるのは午前3時まで.21時の消灯後しばらく寝られないからといってすぐもらいに行っても問題はないが,向こうから勧めてくるのは0時以降である.
持ち込み不可のものはさすがに精神科病棟なので色々あって,爪切りに至る刃物類はもちろんダメだし,裁縫道具,電子タバコを含むタバコ類とタバコ関連グッズ,常備薬や市販薬(含サプリメント),工具類,酒類がだいたいダメなところ.病棟で爪切りや剃刀を(正当な目的で)使いたくなった場合,ナースステーションに借りにいくわけなのだけれど,そのときに書く紙が「危険物使用申請書」みたいな名前で「ここでは爪切りも危険物なんだな…うん…」と感慨深くなる.スマホやPCは意外と禁止されておらず,PCを持ち込むひとは少なそうだが,僕は業務上必要なので現にPCを使用している.ただ,WiFiなど飛んでいるはずもないので,スマホのデータ通信量が凄まじいことになる.以前5GBの契約をしていて半月足らずで速度制限を食らった.現在僕が契約しているキャリアは通信速度を落とすがデータ消費量ほぼゼロという機能を提供しているので,それを活用すれば契約データ容量内でもやりくりできるが,そうでなければポケットWiFiをレンタルするのがよいだろう.精神科の入院,大抵月単位なので.娑婆でそんなに通信量多くないというひとでも,病棟内はひたすら暇なため本を差し入れられるのでなければスマホをやるしかすることがなく,娑婆での通信量を基準に考えると詰む.
ただし病状によっては通信に制限がある場合があり,そういうひとは携帯電話も持ち込み不可だし病棟の公衆電話も使えなかったりする.とはいっても入院時に渡される書類に「はがき・封書の発信・受信は制限されない」(どんな病状でも,どこの病院でも)と明記してある.当然ではあるが封書に異物が封入されていると判断された場合は患者立会いのもとで開封されることがある.
任意入院の場合,開放処遇は原則的に制限なしとなる(外出時間内なら申請すれば一人でどこへでも行ける)が,一部制限される場合もある.理由としては「言動が患者の予後等に著しく悪影響を与える(実質的には「他の患者とトラブルを起こしている状態」)」と「自傷・自殺企図のおそれがある」とその他必要な場合である.医療保護入院や措置入院では開放処遇が制限なしであることは少ないだろう.僕は今まで開放処遇が一切制限なしだったことはないですね.もちろん理由は二つ目のやつですが.
あとたぶんみんながいつも楽しみにしているの,おやつとかだろうか.スナック菓子や清涼飲料水が持ち込み・差し入れ可で,個室でない部屋には冷蔵庫がないので冷蔵庫に入れたければホールにある共用冷蔵庫で管理してもらうことになる.管理しているのはスタッフなので,賞味期限が切れたりすると問答無用で捨てられる.それと,全てに名前を書かないと行方不明になる.
金銭はスタッフに管理してもらうパターンと自己管理のパターンがある.スタッフに管理してもらうようにすると,使いたいときにいちいち申請して「配給」されなければならないし,小遣い管理料というのが発生して使ってもいない金が減衰していくので悲しみが深い(厳密には小遣い管理料は預けた金から引かれるのではなく入院費として請求されるため,預けた金は使わなければ減衰しないが).大金を所持しておこうとしたことがないのでわからないが,おそらく大金の所持は止められるだろう.キャッシュカードを持っていて外出ができるのであれば,それだけで事足りる.
隔離室について書こうと思ったらあまりに長くなりすぎたので,分けることにする.隔離室の生活,コンテンツ性の宝庫なので乞うご期待.(誰も見てない)
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