InAequabilitas

 moneo in reticentia - audi.

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緘愁

時折、世界がするすると退いていく。空間が歪み、奥行きが消え去り、全ては僕を360度に囲む円の壁に描かれた絵のように感じられる。通い慣れた街並が突如として見知らぬ場所に変貌し、不安を抱えながら路頭に迷うこともある。周囲の喧噪も、まるで隣部屋の物音を聞いているかのよう。足取りは不自然に浮つき、膨張する風景を掻き消そうと幾度も眼を擦る。そうすればこのひどく長い夢から覚醒できるような気がしたからだった。
この訳もない哀傷は、人を殺してしまうのではないかと自分自身に怯えていたあの頃の感覚とよく似ている。しかしせめて―たとえ人を殺すのだとしても―それは自分の意志であるようにと願う。意識的に選択することによってのみ、僕は形而下的な存在を確証することができる。
過去を呼び起こす一陣の風。はっと振り向いて、けれどもそこには何も無く、風は遮られ、窓は閉じられる。
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北落師門

Author:北落師門
特徴: 研究者気質(何)、厭世家、人嫌い、典型的ブックワーム。
大量の学問だけで出来ていると思う。詭弁と皮肉で武装している。
目の悪さが半端ない。あと、電話と食事と世間話が天敵。
Detail/本棚

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