InAequabilitas

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法と医を学ぶとは

僕が法学と医学を学び始めたのは何だったか。人を殺してしまいそうな発狂の辺縁にいながら、その不安と焦燥の中で刑事法と精神医学を模索したのではなかったか。
僕はどんな罰を受けるのだろうか。僕には何が起こっているのだ。そしてこれから何が起こるのか。自分が何をしてしまうのかさえ判らない、明日を生きられるかさえ判らない混沌とした意識がせめてもの救いにと外部からの知識を渇望した。
時に僕は中学2年。学校で習う法学など頼りにもならぬ。ましてや医学など習ったはずがない。文字通りのど素人である。幻聴から連想した疾患は薬物中毒と精神分裂病(統合失調症と呼ぶことすら知らなかった!)のみ。薬物中毒でないから分裂病か。書物に齧り付くがしかし、「妄想」の正確な定義すら言えなかった。投げ出してしまわなかったのは、やはり明日をも知れぬという焦りであったろう。
刑事法はといえば、これも図書館と古本屋を駆け巡り、一冊目が良かったのか比較的速く理解できたのを憶えている。少年法を印刷して手元に置いて読んだ。刑法総論を何度も何度も読み返した。刑法の全文を書き写したノートは未だに引出しの中にある。
未来に見えるのは少年審判の法廷に立つ自分か、絶望して腕に刃物を突き立てた挙句死んでいく自分しかなかった。
明日にでも自分か他人かを殺してしまうのだと思っていた。狂気が逼迫するなかで、救いだったのは相談者ではなく書物のみ。

悲観主義者はやがて合理主義者に転身し、それでもやはり病み衰えた精神を引き摺りながらも急性期は脱したかに見えていた。屈折した気質はそのままに残り、未だ他人とまともに打ち解ける事もない。これからも不可能だろう。相も変わらず刃物が悪友だが、それでまともなふりをしていられるならば良い。

ところがまたしても、僕は同じ焦燥の中に叩き落とされる。日々狂気へと傾き沈んでいく精神、破壊への情動、いっそ完全に狂ってしまえるならばどんなにか楽か。
僕から離れてくれ。誰であろうと何であろうと、目の前のお前を殺してしまうかもしれないんだ。僕にも判らない。僕に必要なのは相談役じゃない、完全な孤独か、或いは死だ。僕から言葉を奪っておいて今更何を語れと望むのか。もしも僕がかつても何も言わなかったのならば、意を汲み取ってくれなどという傲慢な要求は決してしないが、明言してもなお否定し続けたのは誰だったか。僕を諦念に追い込んだのは僕自身ではなかったはずだ。

此処では日本の刑事法が適用されぬ。第2条と第3条の2の特例を除いては。
この国の法律を学ばねばならない時が来てしまったようである。

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2009.12.29 Tue 20:44  管理人のみ閲覧できます

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北落師門

Author:北落師門
特徴: 研究者気質(何)、厭世家、人嫌い、典型的ブックワーム。
大量の学問だけで出来ていると思う。詭弁と皮肉で武装している。
目の悪さが半端ない。あと、電話と食事と世間話が天敵。
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