InAequabilitas

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2012

中国人の知人から「どうも面白そうな映画があるんだよ」、と言われた。
はあ、それでと返すと、「題名は2012っていうんだが知ってるか」とどこか笑いながら言う。この映画音痴が知るわけがない。じゃあ何なんだそれは、と聞いてみる。
なんとまあ2012年に世界が滅亡して中国が世界を救うというような筋書きなのだそうだ。「あ?コメディーか?」と聞くと、「いやそれが大真面目なハリウッド映画らしい。くぽぽorz」という答えが返って来て久しぶりに心から仰天した。

調べてみると何とまあ本当に真面目なSFパニック映画で、製作には2億ドル以上がかけられたという。しかも監督は中国人ではなく、「デイ・アフター・トゥモロー」の監督。やたら上映時間が長く、2時間半を超える。
内容はというと・・・2012年12月21日(マヤの予言とやらにあるのだそうだ)に地球が滅亡することになっていて、それを隠蔽している各国政府が「現代版ノアの方舟」を製造中。その方舟は限られた人間だけを脱出させるためのものである。公園でキャンプをしていた主人公一家は謎の男からそれを告げられる。それからそれを裏付けるように各地で天変地異が起こって行き、主人公は家族を守るために遥か方舟を目指すー。しかし着いてみるとそこには何億人もの人々が集まっており船が出発出来ない。大津波は近づく。タイムリミットは15分。さてどうなる!!
というようなマンネリ気味なストーリーのようだ(公式サイト)。因みにアメリカ大統領の名前はウィルソンだそうである。
公式サイトには書かれていないが、この方舟が作られている国こそ中国なのだ。理由は「中国でないときっと終わらないから」らしい。確かに中国の人海戦術には凄まじいものがある。

中国の報道を見てみると、「アメリカ人たちが西蔵地区(かの暴動で一躍有名になったラサのある自治区)の雪山のなかで絶望していた所に、中国解放軍が空からパラシュートで降下してきて彼らを救う」だとか、「主人公一家が西蔵の山中で道に迷い途方に暮れていたときに、一旦通り過ぎて行った中国人の車がわざわざ戻って来て見知らぬ彼らを助ける」とかいう場面があるらしい。何なんだ。(笑
(あと気になる記述としては「1500mの大津波がヒマラヤに覆い被さる」というのがあった。あれ、ヒマラヤは1500mの5倍くらいあったような気がするのですが、僕の記憶ミスなのですか?)
当然のように欧米メディアはボロクソに批評する。
「2012は言うなればパニック・コメディである」、「作品にテーマがなく、また哲学的な視点もなく、宗教の立場からは災難をどう見るかも触れられず、ただ単に観客をパニックに陥れるのみの映画だ」。
テーマがない」に下線を引いたが、何でもない。ただここまで解り易く示されてなおテーマが解らないと言うのが面白い。テーマ?「中国に媚びようw」に決まっているじゃあないか。

しかも驚いた事に、この映画の公開に先立ってNASAが声明を発表。何か偉い事でも言うのかと思いきや・・・
「この映画は科学的に事実無根です。世界は決して2012年に滅んだりしません!
NASAはそこまで暇なのか。最近は金がなくて宇宙開発も研究も出来なくなったのか。しかし映画を見る金だけはあるようだが。

ここまで露骨に「媚びる」ともう中国人も振り向かない(少なくとも知人はみんな爆笑している)。これで大喜びしている中国人がいたらそやつは阿呆であると認定しよう。これから発展する国なのだから阿呆認定者が少数にとどまる事を願っておく。
アメリカの国債を現在最も買っているのは中国なのだそうだ。だからなのだろうか、オバマも妙に中国と仲がいい。彼もヒラリーも演説に中国の古典を引用したそう。そして見るからに日本は放置されつつある。(日本の自覚はどうだい?)
オバマ/ヒラリーくらいはまだ全然何とも思わないが、さすがにハリウッドまで外交にしゃしゃり出てくる(しゃしゃり出させられた?)と、気持ち悪い以上に滑稽である。彼らはただの映画を作っていりゃあいいのであり、売れる映画(この場合中国に売りつける映画)を作ろうとしたとしても外交政策じみた映画になってしまえばやや越権行為といえよう。
日本映画のなかで世界を救う英雄がアメリカ人なのは不自然だし、同じ事がアメリカ映画にも言える。「いつでもヒーローはアメリカ人だったのだから、たまには別の国でもいいじゃない」という見方もあるみたいだが、中国人がヒーローの映画は中国映画でいいはずだ。
間違ってはいけない。僕は中国かアメリカかという特定の「国家」を批判しているのではない。むしろ共同体を個の区別なくひっくるめて論じるのは考えの浅い馬鹿者がすることだと思っている。あまりにもわざとらしいこの映画と制作スタッフを批判しているのだ。
拝金主義を悪いとは決して言わないが(!)、ここまですると滑稽になる。脚本家クローサー氏と脚本兼監督エメリッヒ氏に御警告申し上げたい。
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Comment

2009.11.14 Sat 21:34  

コマーシャル少し見ましたが、中国が世界を救う映画だったんだ。
知らなかった。
この手のものが最近は多いですね。金ばっかりかけて、大したことない。
宇宙戦争映画化したあたりで、見るの止めました。







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