5分間
青く浮き出た腕の静脈を指でなぞる。ガラスの中で砂が滑り落ちていく。激しい頭痛。窓の外で野良猫が喚く。喉元で拍動するような心臓の音。「無価値な屑である僕は生きるに値しない」。自身を罰することで僕は許しを乞うているのか。けれども誰に? もう砂は残り少ない。時間がない。剃刀を腕に当てる。当惑したような傷が口を開く。白く柔らかい真皮の向こうに、濃い青色が透けて見えた。それを目がけてもう一度剃刀を食い込ませる。更にもう一度。べっとりと剃刀の刃が血に塗れる。吐き気。耳鳴り。眩暈。
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