InAequabilitas

Date : 2011年11月23日

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「未来はない?」の補足

本当は前の記事の追記にしようと思って書いていたのに、思ったより長くなったために独立。そんなに長いわけでもないのだけれど。


小浜氏は『やっぱり、人はわかりあえない』で、未来の存在についてこう言っている。
(前略)…時間はあらゆる現象を現象として成立させる唯一の条件ですから、それについて言及しようとするやいなや、時間のなかにあらかじめ包摂される概念を用いざるを得なくなり、これらの概念的なピースの綜合によって「時間」を組み立てる試みは失敗することが目に見えています。…(中略)…そこで、「未来一般がある」という命題は、私たちの実践的な要請としてその正しさが保証されると考えるほかはなくなります。それがたとえ信念や概念にすぎないとしても、どんな例外もなくあらゆる人に共通した信念や概念なのだから、そのことに基づいて、「いまだない」というあり方として「ある」という言い方で、「未来」に対して、その存在の権利を保証してやってかまわないと私は思います。

何だこれは。第一「どんな例外もなく」の根拠は何であるのか。まあこれは重箱の隅を突くようなものだから置いておこう。とりあえずこの部分を要約すると「未来がその一部として含まれている"時間"は全ての前提だ。疑うと面倒な事になるから未来もあるということにしておけばいいんじゃないか」ということではないか。こんな乱暴な話があったものなのか。「深く考えすぎると面倒だからとりあえずそう仮定しておこう」というのは日常生活の至る所に存在している。僕だって何だかんだ言いながら(下手糞なりに)そうやって世渡りしているものだ。
しかし、この引用が飛び出したのは「未来はあるのか」と大真面目に哲学的な議論をしている最中である。喩えれば「πの正確な値は何か、スパコンAの計算値が正しいのかBのほうが正しいのか」という議論をしているのに「計算が面倒だから3でいいじゃない」と言い出したようなもの。全世界の人間が算数の問題を解くのに"実践的な要請として"3を円周率として使用していようが、それは(正確な)円周率が3であるということを証明する事にならないのは明々白々だ。こんな愚劣な論理をさも立派そうに振りかざしているのだから噴飯ものである。

但しその後に現れるこの引用には同意すると言っておこう。
神が存在するという信念を持つ人たちにとって、まさしく神は、それ固有の仕方で存在するのです。なぜなら、「神」という言葉(概念)をつくりだしたのはこの人たちであり、彼らがその存在を確信しきっているからこそ、そういう命名行為が可能だったからです。
「にとって」が途轍もなく重要である。二文目は実はどうでもよい。信じるも信じないも何もかも、本当は全て個人の問題なのだ。

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Irony, Satire and Truth

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北落師門

Author:北落師門
特徴: 研究者気質(何)、厭世家、人嫌い、典型的ブックワーム。
大量の学問だけで出来ていると思う。詭弁と皮肉で武装している。
目の悪さが半端ない。あと、電話と食事と世間話が天敵。
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