InAequabilitas

Date : 2011年11月15日

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キバナキョウチクトウ

汚染に強く育て易いことからか、夾竹桃には色々な園芸種が作り出されている。花色はもとピンクと白しかなかったのが、昨今では真紅だの黄色だのという(夾竹桃らしからぬ?)色合いのものが出てきているのらしい。(関係ないが、園芸種のヒガンバナにも紫やピンクのものがあるそうだ。何だか想像しにくいけれど…。)
しかしタイトルのキバナキョウチクトウは黄色い夾竹桃とは全くの別物である。名前が紛らわしくていけないが、属すら異なる植物なのだ。だから花の形も植物全体の印象も随分と違っている。とりあえずまずは写真を。
thevetia_peruviana(以下、画像は全てクリックで拡大)
キバナキョウチクトウThevetia peruvianaはキョウチクトウ科キバナキョウチクトウ属(テベティア属)の半耐寒性常緑低木或いは小高木で、ラテンアメリカ或いはインドの原産である。花色はオレンジ色と鮮黄色とがある。花期は5-12月と長く、完全に花開いた状態でも上のように半開きとなる。花弁は左巻きに重なり、長さ5-7cm・幅1.5cm、花冠は漏斗状である。花序は集散花序で枝先につく。花は鐘状で芳香がある。萼は三角形で五深裂する。雄蕊は五本あり、花糸に銀白色の繊毛が生えている。子房は2室に分かれ、柱頭は二裂する。
果実は径2.5-4cmで、初めは緑色だが熟すと浅黄色(濃い赤とも)に変化する。形は扁平な三角形球状というか何というか、何だか形容しがたい形をしている。種子は黒色で両側が膨らんでおり、硬い。果期は11月から翌年の2月である。
気温が高く、湿潤な土壌によく生育する。実生で繁殖させることができる(冬に蒔くと初夏に発芽する)。樹高は低いものでは2m、高くて5mにもなり、枝を折ると乳液が出る。葉は線形から線状披針形で互生し、光沢がある。柄はなく、長10-15cm、幅5-12mmで革質である。枝は褐色だが、若い枝は灰緑色をしており下垂する。
thevetia_peruviana-1
全株が有毒で、特に種子と乳液の毒性が最も強い。葉の毒成分含有量は0.1%未満であるが、種には5%含まれる。毒はお馴染みの強心配糖体で、詳しく名前を列挙するとテベティンA(C42H64O19)とB(C42H66O18)、ペルボシド(C30H44O9)、ネリフォリン(C30H46O8)、ルボサイド、ペルシチン、テベネリイン(C30H46O9)、ケルベリン等である。
ThevetinAThevetinB
PeruvosideNeriifolin
Theveneriin

これらの成分は心筋と自律神経系に作用し、中毒症状としては口腔の灼熱感・悪心・腹痛・嘔吐・下痢・頭痛・昏睡・瞳孔散大・心臓麻痺等がある。時には電気的除細動(いわゆる電気ショック)さえも効かない心室細動を起こす事があり、これでは確実に死亡する。
種子一粒で死に至る可能性もあるというが、大人では種10粒ほどで致命的となる。葉をハーブティーに混ぜたために中毒した事故がある(患者は大人)。因みにスリランカ北部では種の服用によって自殺する者が後を絶たないという。毎年1000例ほどそういった事例があり、そのうちでの致死率は10%以上である。漢方薬では強心剤として用いられるが、長期にわたると成分が体内に蓄積し、ジゴキシン等と同様の副作用を引き起こす(不整脈、アダムス・ストークス発作等)。

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Irony, Satire and Truth

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北落師門

Author:北落師門
特徴: 研究者気質(何)、厭世家、人嫌い、典型的ブックワーム。
大量の学問だけで出来ていると思う。詭弁と皮肉で武装している。
目の悪さが半端ない。あと、電話と食事と世間話が天敵。
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