InAequabilitas

Date : 2011年11月09日

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駆け引きについて

利害関係の衝突する相手を信じようとするなど狂気の沙汰だ。その利害関係が具体的でも抽象的でも結論は変わらない。君が(本当に)誠意を持って応じようとも、相手は君の誠意を信じることはないし、まず相手が誠実に対処してくる可能性もほとんどない。それは逆方向にも言える。つまり相手が実は誠意を持っていても君はそれを信じられず、みすみす勝利を手渡したりせぬように相手を欺こうと身構えるだろう。駆け引きとは結局のところ騙し合いでしかない。それは虚言か詭弁か、或いは脅迫であるかもしれない。

誠実さは常に権力の下に組み敷かれる。誠実な人間が勝ったのだとしたら、それは話術で勝ったのだ。話術やレトリックとは何でもないような言葉を美麗に飾り立てて途方もなく価値のあるものに見せかける技術であり、やはり一種の欺騙である。嘘を言わないからいいのだと言うならば、詭弁も全く変わらない。詭弁の意図は他者を欺く事にある。単に間違っただけの論理構成は誤謬なのであって、そのような悪意を与えて初めて誤謬は詭弁となる。

ただ未処理の事実のみを以て権力や強弁に打ち克つ事は不可能だ。誰が屑鉄を持って戦場に赴くであろうか。そうだ、それが鉄である事に間違いはない。しかし鉄は打たれて刃物とならなければ相手を斬ることはできないということはどんな阿呆でも知っている。屑鉄の力量を信じて疑わぬ人間は単なる無知な狂信者である。

どんなに柔和そうに見えようが、相手は虎視眈々と君の喉を切り裂く機会を伺っている。妥協など無意味なのだ。それは双方ともが犠牲を出しながら結局誰も目的を遂げられていない状態に他ならず、また妥協を許すということ自体が相手に―たとえ一部分であれ―屈したという意思表示である。君は和諧社会を築くために駆け引きの場に立ったのか?違う!自らの利益のためとは言い切れずとも、少なくとも相手を攻撃しその目的の達成を阻害するためにいる。それを見失ってはならない。自らの中に、また相手の内に存在する敵意を見据えなくてはならない。欺くべきは相手であって自分自身ではないのだ。備えよ!


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Irony, Satire and Truth

Biography

北落師門

Author:北落師門
特徴: 研究者気質(何)、厭世家、人嫌い、典型的ブックワーム。
大量の学問だけで出来ていると思う。詭弁と皮肉で武装している。
目の悪さが半端ない。あと、電話と食事と世間話が天敵。
Detail/本棚

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