InAequabilitas

Date : 2011年11月05日

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インドソケイ - プルメリア

plumeria_rubra花の美しい有毒植物がその美貌を隠れ蓑にして、何でもないような顔で人間に愛でられているのを見ると不覚にもにやっとしてしまう。無邪気に"可愛い花"を髪に挿したりしている相手に「それ、毒草だよ」と言ってみたときの反応ときたらなかなか面白いものだ。「毒」というと多くの人間は「近付くだけで危険!」な印象を持っているようで、自分の持っているのが毒草と判明した瞬間「ええ?!これ大丈夫なの、私どうなるの?!!!」みたいにパニックに陥ることもしばしば。しかし大抵は大した毒などはなく、普通に扱っていれば酷くて皮膚炎程度のものなので別に相手を心配してやっているわけではない。単に面白がっているだけである(笑)。
plumeria_rubra-1プルメリアもそういった花のうちのひとつで、有名なところではハワイのレイに使われているのだが、有毒であると知っている人は極僅かではないだろうか。だがこれが引き起こす皮膚炎は意外と面倒なのらしい。古来から生薬にも用いられているほどのれっきとした"効用のある"植物であり、みだりに毒草呼ばわりしているわけではないのだ。

plumeria_rubra-2メキシコ原産の高さ5-7mになる落葉高木。P.obtusa等のよく似た別種に常緑であるものもある。キョウチクトウ科プルメリア属(学名Plumeria rubra)。ふつうプルメリアと呼ばれるものはこれを指す(プルメリアは本来プルメリア属の総称)。"フランジパニ"のほうが耳慣れているかもしれない。互生する葉は厚く紙質で、長楕円形から倒披針形をしている(先鋭・基部は楔形)。葉柄の長さは4-7.5cmほどで、葉の長さは20-40cm、幅は7-11cm。側脈は30-40対ある。

plumeria_obtusa5-10月、枝先の集散花序に回旋状の径約5cmの芳香ある花をつける。花色は白で内側が黄色いものや、赤みを帯びたもの、或いは完全に赤いものなど様々。白花のrubraと別種のobtusaの区別が難しいのだが、葉の先端が丸くなっているほうがobtusaのはずである(右の写真)。原産種はより花弁が細く、色は赤に近い濃い桃色をしている。

plumeria_rubra-1花冠と萼はいずれも五裂し、萼片は小さく卵形で花冠の裂片は狭倒卵形になる。花冠内部には柔毛が密生している。蜜はない。雄蕊の数は5本で、花糸の長さは非常に短い。雌蕊の花柱の長さも同様に短く、柱頭は楕円形で先が二裂する。扁平な種子は歪んだ楕円形で、膜質の翼(長2cmほど)を持つ。果実は18cmほどの莢で、それぞれに種子が20-60個入っている。果期は7-12月だが栽培種で結実することは稀であるため、葉を取り除いた枝を用いて挿し木で増やす。湿った土壌に挿すと腐り易いので水気を切った土に挿さなくてはならない。本当は実生でも繁殖させやすいのだが、そもそも種子が熟する事があまりないため仕方ない。

plumeria_obtusa-1全株に含まれる乳液にプルメリシン・プルミエリド・α-アミリン・β-アミリン・1a-プロトプルメリシン等を含有し、皮膚につくとなかなか痕の消えない炎症を起こす。プルメリシンC15H14O6は結核桿菌607に対する抑制作用を持ち、有機溶媒にはよく溶けるが水にはほとんど不溶である。プルミエリドには便通をよくする作用や利尿作用もあり、マウスに対するED50は0.12g/kg(0.3g以上で利尿作用が現れる)。ほかには、樹皮・葉・根皮等からの水による抽出液がマウス、ネコ、ウサギ、モルモットに対する局所麻酔作用が観察されている。


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Irony, Satire and Truth

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北落師門

Author:北落師門
特徴: 研究者気質(何)、厭世家、人嫌い、典型的ブックワーム。
大量の学問だけで出来ていると思う。詭弁と皮肉で武装している。
目の悪さが半端ない。あと、電話と食事と世間話が天敵。
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