InAequabilitas

Date : 2011年10月05日

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ゲルセミウム・エレガンス発見...か?

用あって香港に行っていた。しかし僕の脳内では本来の仕事など二の次、なぜなら「香港四大毒草」にはゲルセミウム・エレガンスが含まれているのだから!
というわけで冶葛が自生しているといわれる太平山(標高550m前後)をうろついてみた。滞在期間2日未満、且つその直後は空港に急がねばならなかったためにあまり満足な時間はとれなかったが、冶葛らしき植物を見つけたので上げてみる。写真は全てクリックで拡大。

比較元画像
gelsemium_elegans-4 gelsemium_elegans-2 gelsemium_elegans-3 gelsemium_elegans-1


候補1:
g_elegans_1-1g_elegans_1-2
蔓性の常緑低木で(√)、高6-12m程になる(?)。葉は革質(△)で対生(√)し、楕円形~狭卵状披針形(△)、全縁で先端が尖り(√)、光沢を持ち滑らかで(△)、厚みがある(×)。葉脈は5-7対ずつある(√)。葉の大きさは長さ5-12cm(√)、幅2-6cm(√)。葉柄の長さは6-12mm(√)。茎は円柱形で直径0.5-5cm(√)、樹皮は灰黄色から黄褐色で縦に溝が入る(√)。若い茎は比較的滑らかで(√)、黄緑色或いは黄色をしており(√)、細い縦縞や楕円形の突起がある(×)。また茎は硬くて折りづらく(√)、断面も滑らかにはならない(√)。
日当たりの良い山の斜面(×)、道端の草むら(√)、低木の茂み(√)、雑木林に生える(√)。海抜200-2000m(特に650-1700m)のところによく生える(√)。

<補足>
葉脈: △(側脈の先が開いている)
葉柄と茎の接続部の形状: √
葉間の距離: √
葉の裏: △(中央脈がはっきり出過ぎ?)
葉の反り具合: △
味: ただただ普通に苦かった
全体的な相似度: 70%
備考:拡大鏡で見ると若い枝には繊毛が生えており、乾燥すると木質に近付く。葉の表面にもまばらに繊毛が生えているものがある。葉の基部が漸先形であるもののほうが鈍形或いは円形であるものより多い。茎はわずかに中空である。むしろカギカズラ(Uncaria rhynchophylla)なんではないかという気がする。
※10/07 2011追記:
カギカズラ(アカネ科カギカズラ属)も有毒植物である。名の由来は托葉が鉤型になるため。生薬としても利用されているが(頭痛・眩暈等の鎮静薬として)、葉と托葉のついた茎が有毒。リンコフィリン、イソリンコフィリン、コリノキセイン、ヒルスチン、ヒルステイン等のアルカロイドを含有し、過量に摂取すると運動神経の麻痺や呼吸抑制を引き起こす。
(鉤型になる托葉の様子)
uncaria_rhynchophylla


<採取後一日経過>
g_elegans_2-2g_elegans_2-2
色がかなり濃くなった。劣化は早め。
さらに一日経過後、葉はほとんど水分を失い、皺が寄って縮んだ。


候補2:
g_elegans_2-2g_elegans_2-1
蔓性の常緑低木で(√)、高6-12m程になる(?)。葉は革質(√)で対生(√)し、楕円形~狭卵状披針形(√)、全縁で先端が尖り(△~√)、光沢を持ち滑らかで(√)、厚みがある(√?)。葉脈は5-7対ずつある(√)。葉の大きさは長さ5-12cm(√)、幅2-6cm(√)。葉柄の長さは6-12mm(△)。茎は円柱形で直径0.5-5cm(√)、樹皮は灰黄色から黄褐色で縦に溝が入る(?)。若い茎は比較的滑らかで(√)、黄緑色或いは黄色をしており(√)、細い縦縞や楕円形の突起がある(√)。また茎は硬くて折りづらく(√)、断面も滑らかにはならない(√)。
日当たりの良い山の斜面(√)、道端の草むら(√)、低木の茂み(√)、雑木林に生える(√)。海抜200-2000m(特に650-1700m)のところによく生える(√)。

<補足>
葉脈: √?(閉じた側脈の間が膨らんでいない)
葉柄と茎の接続部の形状: √
葉間の距離: √
葉の裏: √
葉の反り具合: △
味: ただただ普通に苦かった
全体的な相似度: 85%(でもツルニチニチソウに見えてきた)
備考:若い枝にはよく見ると繊毛がある。細い枝を輪切りにしてみたが中心部が空洞であるようだ(生薬としての冶葛(鉤吻)の判定基準に合致する)。また冶葛の葉はやや二つ折りになって反り返る傾向があるが、これは全体的に平たい。また、葉の先は鈍頭であるものも多い(比較元写真ほどしゃきっと尖っているものが少ない)。

<採取後一日経過>
g_elegans_2-2g_elegans_2-2
色はあまり変化無し。強いて言えばほんの少しだけ濃くなったような。劣化もほとんど無し。
さらに一日経過後、ほんの僅か皺が寄ってきたものの、やはりほとんど変化はなし。
因みに採取後半日は手帳に挟んでいた(苦笑)。


比較元の写真からわかるように、葉の光沢は花も実もない季節にあっては重要な手がかりとなる。しかし台風の影響だか何だったか、香港は雨が降り続いていた。だからどいつもこいつもやたらとテカるのである。冶葛は世界一の毒草にしてはあまりにも質素すぎる身形をしている。そこがまた陰険そうなところではあるが。
四大毒草と呼ばれているのにも関わらず、訊いてみた限りでは誰も知らないという。鉤吻、胡曼藤、断腸草、冶葛、…と違う呼称で訊ねてみても反応無し。そういえば香港は思った以上に北京語が通じない。向こうに通じた所で広東語混じりの返答が解らない(!)。
花の季節に再び行ってみるのがいいだろう。少なくとも太平山は間違いなく脈ありだ。でも「野生生物(植物も含む)標本の採取は違法」だそうなので採取する場合はこっそりと…。

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Irony, Satire and Truth

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北落師門

Author:北落師門
特徴: 研究者気質(何)、厭世家、人嫌い、典型的ブックワーム。
大量の学問だけで出来ていると思う。詭弁と皮肉で武装している。
目の悪さが半端ない。あと、電話と食事と世間話が天敵。
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