InAequabilitas

Date : 2010年11月30日

黒い傘の陰に

朝、律儀に目覚まし時計が僕を起こしてくれた。いつになく苛々した。目を覚ましたら部屋が期待したより寒かった。
乗った車が事故を起こしたけれど僕は死ななかった。大した事故ではなかったが、残念だと思った。
昼下がり、もう少しくらいは図々しくなりたいと願った。言葉を上手に手なずける周囲の人間を羨んだ。僕は何も言えなかった。
夕方、理由もなくただ苛立たしかった。少し悲しかった。濃いホットコーヒーが飲みたかった。それなのに、入った店は偶然か嫌がらせかコーヒーが切れており、静かな所がよかったのに僕の大嫌いなクリスマスソングをずっと流していた。その上暫くしたら、せっかく人のいない一角を選んで座ったにも関わらず、そして店の中はがらがらに空いていたのにも関わらず、ひどく見目の悪い若いカップルが僕の視線のちょうど前にあるテーブルについた。ただ座っているだけなら許したが、彼らは絶えず抱き合ったりキスしたりしていてとても耐えられたものではなかった。そしてまた暫くして彼らは店を出た。
こんな日には折れた手帳のページの角にさえ怒りを感じてしまうのだ。誰かを怒鳴りつけたかった。どうしようもないほどに誰かを傷つけたかったのに、また僕は何も知らぬ顔をして、そうして代わりに自分の弱さを傷つけるんだ。
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北落師門

Author:北落師門
死に至るまでのしばらくだけ,文章を書き散らすための場所

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