InAequabilitas

Date : 2010年10月18日

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情けない英語と実体のない言語学習

コマーシャルと言えば、7月半ば頃のサマージャンボともうひとつ何かのくじの広告があった(キャッツアイの方でなくて西田敏行の出てくるほう)。あれもまた笑ってしまった。サラリーマンが二人、「プランAだ!」「いやプランBだな!」とか何とか机を叩いて議論しており、「社長、決定を!」といって社長のほうを見ると、社長は議論そっちのけでどっちのくじにしようか迷っている、というしょうもない展開。展開ではなく、そのサラリーマン二人がなぜかヘタクソな英語で怒鳴り合っている所がおかしかった。英語である必要があったのか。どう見ても日本の会社の日本人ばかりがいる会議室なのに。

現在は<先進国総バイリンガル>の時代。非英語圏は母語と英語、そして英語圏は英語と仏語もしくは西語。トリリンガルだってそう珍しくもなくなってきた。そろそろ「英語を使うとカッコイイ」から抜け出して欲しいのだが、どうにもそうはいかないようだ。喋っている所だけ聴けば英語のネイティブスピーカーかとまごうほど上手なら勿論カッコいい。しかしそこまで要求しなければ、ほとんど誰でも英語ができるといえる。それでもまだ英語がカッコイイのですか。
変な英字Tシャツは未だ売れ続けているし、また英語を<装飾>した文房具も未だ大量生産されている(まあ、ローマ字の日本語長文を見かけた時の情けなさに比べたらよほどましか)。せめてフランス語だとかドイツ語だとか、もうちょっと学習者の少ないものにすればいいのに…結局は同じ事なのだけれども。

どの外国語を使うにしろ、どこか「実体のない言語学習」が透けて見えるように思うのだ。僕自身の経験からいうと、身を張って学習した外国語はカッコいいと思わない。たとえば僕は生まれがおかしいので母語を3つくらい所有し、外国語はそれなりにできるのが1つとカタコトができるのが3つくらいあるが、このうち使って「俺偉い(殴)」と思うのはカタコト言語の3つである。しかし母語3つとそれなりにできる外国語は<身を張って>習得した。どういうことかというと、つまりは「習得するか餓死するか」という選択だったのだ。
(何で母語もそうなのかというと、日本で育ったために母国語の環境が家庭しかなく、母は「日本語を喋るんだったらあんたは隣の日本人の家に行って食べさせてもらいなさい」という方針を取った。母国語を喋らないと本当に食事を出してくれなかったのである。文字通り餓死しそうな環境。)
それくらい言語と戦っていると、カッコいいと思うどころか憎悪すら抱いてくるものだ。そんなわけで僕はこの4つの言語を激しく憎みつつも、<謎の外国語の中に浮かぶ一筋の希望の光>みたいに拠り所にして、実にアンビバレンスな心情で生きている(笑)。だからラテン語などは、体を張って学習したくてもそんな環境がないわけだから(死語だもの)、僕はちょっとできるからといってやたらめったら使いまくるのである。ああ、自白してしまった(苦笑)。
僕は日本の携帯電話も英語表示にしているが、英語のほうがフォントデザイン的にすっきりしていて読みやすいし、それに半角カタカナが嫌いだからである。カッコいいのを選んだらロシア語とかで読めない(発音だけは判るけれども、それ以前に無いし)。ふつうは読めないものがカッコよく見えてくるものだ。英語をカッコいいと思って使いまくっている人々は果たして英語が読めないのか。そうではないと思うのだが。

英語を上手に喋れないのは母語話者でないから当然で、カッコ悪くはない。だが上手に喋れもしないのにそんなありふれた言語をカッコつけて喋るのは逆効果。小学生が大人の口調を真似て(いるつもりで)喋っているようで何だかこちらが恥ずかしくなってくる。

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Irony, Satire and Truth

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北落師門

Author:北落師門
特徴: 研究者気質(何)、厭世家、人嫌い、典型的ブックワーム。
大量の学問だけで出来ていると思う。詭弁と皮肉で武装している。
目の悪さが半端ない。あと、電話と食事と世間話が天敵。
Detail/本棚

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