InAequabilitas

Date : 2009年08月10日

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また裁判員の話

今回は大してひどくもない事件だったので問題はなかっただろうが、証拠と称して(証拠である事に異論はないが)巨大モニターに映し出される画像について。

誰かが「検察と弁護側双方のプレゼン合戦だった」と言ったが、まさに的を得ているだろう。
裁判員制度の導入を意識して行われた、いつだかの公判。所謂「江東区OLバラバラ殺人事件」だ。
「腐ったハンペンのようなもの」、と思われたそれは腹の肉片だったし、黒ずんだ棒のようなのは切断された指だった。その上指である事を証明しようとしたのか、「曲げてみました」と検察が言い、モニターにはその指が曲げられた画像が映された。
そして被告人に対する尋問。「どのようにして首を切断したのか」との問いに「まずナイフで一回り肉を切ってから、鋸を当てて骨を切断した」との答え。「次に切ったのはどこですか」「右足です」…挙句の果てには「肉は何色をしていましたか」「赤だったと思います」。それに呼応するように、画面が真っ赤に染まる。
この尋問のあいだ、何人もの傍聴人が(昼食の後だったこともあり)トイレに駆け込んだという。「赤だった」の後には、被害者の遺族を含めた2人が崩折れ、裁判所の職員に担ぎ出されたらしい。
そのうち被告人も全くモニターを見ないで尋問に答えるようになり、弁護人から「無意味である」との異議が飛んだ。

こんな有様の裁判であった。これは5/21以降に起訴されていたなら間違いなく裁判員裁判の範疇だが、裁判員がその場にいたら尋問の後半の被告人のように全く画面を見まいとする者が多いに違いない。証拠を見ずに、正しい判断が下せるものだろうか。
やはり危惧したとおり、会社の会議の如く「プレゼンの上手かったほうが有利になる」構図が清書されていく。もうそこに「真実追求」と「法の独裁(これはプーチンだが)」の居場所はない。

裁判員制度はいらない!大運動」なるものがある。
彼らは裁判員制度のことを「市民参加という名の刑事ショー」と評しているが、その通りだ。
裁判がエンターテインメントとなっていく。司法のあるベき姿はいずこへ。
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Irony, Satire and Truth

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北落師門

Author:北落師門
特徴: 研究者気質(何)、厭世家、人嫌い、典型的ブックワーム。
大量の学問だけで出来ていると思う。詭弁と皮肉で武装している。
目の悪さが半端ない。あと、電話と食事と世間話が天敵。
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