InAequabilitas

Date : 2009年07月26日

CURRENT MOON

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カフカ寓話―走り過ぎる者たち

夜、狭い通りを散歩中に、遠くに見えていた男が―-というのは前が坂道で、明るい満月ときている―まっしぐらに走ってくるとしよう。たとえそれが弱々しげな、身なりのひどい男であっても、またそのうしろから何やらわめきながら走ってくる男がいたとしても、われわれはとどめたりしない。走り過ぎるがままにさせるだろう。
なぜなら、いまは夜なのだから。前方が上り坂で、そこに明るい月光がさしおちているのは、われわれのせいではない。それにその両名は、ふざけ半分に追いかけ合っているだけなのかもしれないのだから。ことによると二人して第三の男を追いかけているのかもしれないのだから。先の男は罪もないのに追われていて、背後の男が殺したがっているのかもしれず、とすると、こちらが巻き添えをくいかねないのだから。もしかすると双方ともまったく相手のことを知らず、それぞれがベッドへ急いでいるだけなのかもしれないのだから。もしかすると夢遊病者なのかもしれないのだから。もしかしたら先の男が武器を持っているかもしれないのだから。
それにそもそも、われわれは綿のように疲れていないだろうか。少々ワインを飲みすぎはしなかったか。第二の男も見えなくなって、ホッと胸をなでおろす。

追記は原文
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Irony, Satire and Truth

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北落師門

Author:北落師門
特徴: 研究者気質(何)、厭世家、人嫌い、典型的ブックワーム。
大量の学問だけで出来ていると思う。詭弁と皮肉で武装している。
目の悪さが半端ない。あと、電話と食事と世間話が天敵。
Detail/本棚

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